キムチの乳酸菌の効果!市販品でも大丈夫なの?
今や日本人に、最も食べられている漬物はキムチと言われています。
確かに味が濃くて刺激的で、ご飯のおかずにピッタリなので、人気があるのもうなづけます。
私もキムチを自分で作るくらい大好きです。昔からキムチが大好きな私だったんですが、実は発酵食品としての凄さに気付いたのは、つい最近のことなんです!
実は数ある乳酸菌発酵食品の中でも、群を抜いた発酵パワーを持った食品だったんです!
でも、いくら凄いと言っても、自分で漬け込むのって大変ですよね?
できれば、市販のキムチで乳酸菌の効果が得られたらうれしいですよね?
というわけで、今回はキムチの乳酸菌の効果と市販品でも大丈夫かどうかについて、見ていきたいと思います!
目次
キムチに含まれる乳酸菌
まず、最初にキムチの乳酸菌がどれだけ凄いかから見ていきましょう。
ポイントは次の3つです。
- 健康効果
- 数
- 保存効果
どう凄いのか具体的に見ていきましょう!
健康効果
まずは一番気になる健康効果からです。
キムチを発酵させている乳酸菌は、植物性乳酸菌に分類される乳酸菌です。
一言で植物性乳酸菌と言っても、種類は様々です。
そして、キムチの場合は、次のような分類の乳酸菌で発酵しています。
- ラクトバチルス(ラクトバシラス)
- ロコノストック
- ワイセラ
これらの分類毎にもたくさんの種類の乳酸菌が存在しています。
そして、それらの種類毎にも発酵の仕方は様々です。ある種類は乳酸ばかりを作り出す(ホモ発酵)ものや、香り成分やその他の有機酸を作り出す(ヘテロ発酵)ものなど、発酵の仕方は乳酸菌毎に違うのです。
このように無数の乳酸菌が複雑に絡み合って、発酵するため、次のような効果があります。
- 人間の体では作れない栄養素が豊富に含まれる
- 乳酸菌による整腸効果がある
- 免疫力が上がる
ビタミンB群や有機酸など、人間が作れない栄養素が豊富に含まれている。
乳酸菌発酵食品特有の整腸作用がある。
キムチに含まれるニンニクなどの薬味の効果や腸内環境が良くなることのおかげで、免疫力が上がる。
発酵食品のメリットは発酵により作り出される栄養素と、整腸作用です。
キムチの乳酸菌は残念ながら胃酸で多くは死んでしまいます。しかし、こちらの記事に書いた通り、死んだ菌でも整腸作用があるのです。
⇒ 乳酸菌が殺菌された商品に効果や意味はあるの?死んでてOKな理由を解説!
それに加えて、野菜や薬味、発酵によって作り出される必須栄養素などが合わさることで、高い健康効果が生まれるのです。
数
実はキムチに含まれる乳酸菌の数は、数ある乳酸菌発酵食品の中でも、群を抜いています。
こちらの実験では、キムチを20℃で5日間発酵させた時の乳酸菌の推移を実験しています。
⇒ 和洋女子大学「植物由来乳酸菌 Lactobacillus sakei 発酵野菜と利用」
こちらの表3の無添加区のデータが通常のキムチの場合になります。
この実験によると、キムチの1gあたりの乳酸菌の数は4日目で1億個になり、5日目には2億個を超えています。
ヨーグルトの場合、1ml(≒1g)あたりの乳酸菌の数は1,000万個程度なので、なんと10倍以上もの差があるのです!
当然、乳酸菌の数が多ければ、整腸作用も高くなります。
整腸作用という点でも、キムチはとっても優れているわけです。
保存効果
キムチは漬物です。漬物というのは、野菜の保存性を上げて腐らないようにした保存食です。
通常の漬物は塩などで漬け込んで、最近が繁殖できないようにします。
しかし、キムチの場合は、塩以外にも次のような理由で保存効果が高くなります。
- 乳酸菌発酵のおかげで酸性度が高い
- 乳酸菌発酵のおかげで酸素が少ない
キムチを作る時は、最初は酸素を使って発酵する乳酸菌が増えていきます。やがて、酸素が無くなると、今度は酸素なしで発酵する乳酸菌が増えていき、どんどん乳酸が増えていきます。
そのため、キムチを漬け込んでる容器の中は酸素がほとんどなく、酸性度が高い環境になります。
カビは酸素が無いと繁殖できません。また、大腸菌のような食中毒菌の多くは、酸性度が高いと繁殖できません。
そのため、キムチは発酵が進んで乳酸菌の数が増えれば増えるほど、大腸菌のような食中毒菌が減っていきます。
上で紹介した和洋女子大学の実験では、大腸菌の数は5日目には、1gあたりたったの10個にまで減少してしたのです。
直接的な健康効果ではありませんが、キムチは発酵が進めば進むほど、食中毒の危険が減っていく保存食なのです。(もちろん過信は禁物なので、なるべく早く食べてくださいね)
このように健康効果も高く、保存性が高いキムチですが、これはあくまでも伝統的な製法で作った手作りキムチの場合の話です。
でも、自分でキムチを作るなんて大変ですよね?
市販品にも同じような効果があったら、それが一番ですよね?
では、市販品にも手作りキムチと同じ効果はあるのでしょうか?
次は市販品のキムチの効果について見ていきましょう。
市販品でも効果はあるの?
市販品のキムチには、果たして手作りと同じ効果はあるのでしょうか?
結論から言えば、効果があるのと無いのがあります。
実は日本で市販されているキムチには、伝統的な作り方とは違う、キムチ風漬物が多くあります。
なんと大々的にCMしている、商品の中にもこのキムチ風漬物があるんですよ!
キムチ風漬物の製造法は、キムチの味に似せた調味液に短期間だけ漬けるだけで、発酵させてないのが特徴です。
発酵という過程は衛生管理や温度管理が大変なので、そのコストを削減するために、このような製法を取っているのです。
キムチの健康効果は乳酸菌発酵によってもたらされるものなので、当然キムチ風漬物には、効果は期待できません。
しかし、市販品の中にもちゃんと乳酸菌発酵させた商品が存在します。
実はそのような商品選んで食べれば、ちゃんと健康効果があるんです。
そこで、重要なのが本物のキムチの見分け方です。
最も確実なのが、キムチくんマーク付きの商品を買うことです。
これが付いてるキムチは、韓国政府が「伝統的な製法で作ったキムチ」と保証している商品です。これが一番確実です。
国産のキムチが良い場合は、原材料などから判断する必要があるので、ちょっと知識が必要になります。
詳しい見分け方はこちらの記事にもっと詳しく書いているので、良ければ参考にしてみてください。
⇒ キムチの本物の見分け方!キムチ風漬物との違いはコレだ!
まとめ
キムチはご飯のおかずに最適な韓国の漬物ですが、実は乳酸菌発酵食品の中でもトップクラスの健康効果を持つ食品だったんですね~。
もう一度その効果をまとめておきますね!
- 健康効果
- 数
- 保存効果
人間の体では作り出すことができない必須栄養素がたくさん含まれている上に、高い整腸作用がある。
十分に発酵が進んだキムチには、ヨーグルトの10倍以上の乳酸菌が含まれている。
キムチは発酵が進めば進むほど、食中毒菌が減っていく食品。
このように、健康効果が高いキムチですが、市販品を買うときだけは、注意が必要です。
キムチ風漬物は乳酸菌発酵させてないため、健康効果が低くなってしまうので、しっかり見極めてくださいね。
ちなみに一番良いのは、自分でキムチを作ってしまうことです。
こちらの記事に本格的なキムチの作り方を書いているので、是非一度、キムチ作りにも挑戦してみてくださいね!
⇒ 本格キムチの作り方!韓国人に教わった本場の味を教えます!
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