納豆菌と乳酸菌の違い!2つ合わせると整腸効果抜群!
乳酸菌発酵食品は整腸作用が高いと言われていますが、乳酸菌以外にも凄い食品があります。それは皆さんご存知の納豆です!
私たちは納豆はとてもお腹に良く、様々な健康効果があるイメージを持っています。しかし、具体的にどんな効果があるのでしょうか?
実はお腹の中の乳酸菌と、とても相性が良いが良いのです!
そこで、今回は納豆菌と乳酸菌の違いを見ながら、納豆にどのような整腸効果があるのかをお伝えします。
目次
納豆菌と乳酸菌の違い
納豆菌と乳酸菌には高い整腸作用があります。
しかし、それぞれの菌が腸内環境を良くする仕組みは全く違います。
そんな納豆菌と乳酸菌の性質の違いは、主に次の3つです。
- 作り出す物質
- 生命力
- エサにする物質
一言で善玉菌と言っても2つの菌は大きく違います!順番に解説していきます!
作り出す物質
納豆菌と乳酸菌は発酵する過程で作り出す物質が違います。
納豆菌が作り出す物質には次のようなものがあります。
- ポリグルタミン酸、ムチン
- ビタミンB群
- ビタミンK
ネバネバの元の成分。
元々の大豆には無いため、大豆で食べるよりも、納豆で食べる方が栄養バランスに優れている。
怪我をした時に血液が固まるようにする機能を正常化する働きがある。
健康に役立つ主な成分はこの3つですが、他にも納豆の臭さのもとのアンモニアなども作り出します。
一方の乳酸菌が作り出す物質は、名前の通り乳酸が主な物です。乳酸菌食品の特徴の爽やかな酸味は、乳酸のおかげです。
また、乳酸菌は様々な栄養素を作り出してくれます。乳酸菌が作り出す栄養は、こちらの記事に詳しく書いているので、ご覧ください。
⇒ ヨーグルトの栄養の効果!乳酸菌が作り出す物質は超凄い!
生命力
納豆菌はとにかく生命力が強い菌です。
納豆菌は自然界では、主に稲の葉っぱに生息していますが、納豆菌の付いた稲藁を5分間煮沸消毒しても、多くの納豆菌は生き残ります。そして、胃酸でも死ににくいので、生きたまま腸まで届きます。
一方の乳酸菌は、比較的生命力が強い植物性乳酸菌と、とても貧弱な動物性乳酸菌がいます。
植物性乳酸菌は植物の表面に生息しているため、過酷な自然界の環境でも生き残る生命力がありますが、それでも胃酸にさらされるとほとんどが死滅します。更に人間の腸の中は酸素が少ないため、生き残って腸に到達しても、すぐに死んでしまいます。
動物性乳酸菌の場合は、動物の腸の中で生きている乳酸菌のため、人間の腸の中では元気に生きられますが、悪玉菌が増えたり、エサが無くなるとすぐに死んでしまうデリケートな菌です。
植物性乳酸菌も動物性乳酸菌も、納豆菌とは比較にならないほど、生命力が弱い菌なのです。
エサにする物質
納豆菌が餌にする主な物質はたんぱく質です。
大豆はたんぱく質が豊富なので、納豆菌は大豆のたんぱく質をエサにして発酵します。また、大豆のたんぱく質の中には毒性のあるたんぱく質があるため、生で食べると消化不良を起こしやすいのですが、納豆菌はこれらの有害なたんぱく質を分解してくれます。
一方の乳酸菌のエサは炭水化物全般です。
大腸の中で人間が消化吸収できなかった糖類をエサにして、乳酸と様々な栄養素を作ってくれます。人間には作ることのできない栄養素も作ってくれるため、乳酸菌のエサは意識してたくさん取る必要があります。
納豆菌も乳酸菌も同じ菌ですが、全く違う性質を持っています。しかし、この2つの菌はとても相性が良いのです!
実は納豆菌には、お腹の中の乳酸菌を増やす効果があります!一体なぜなのでしょうか?
今度は納豆菌が乳酸菌を増やす理由を見てみましょう。
納豆菌が乳酸菌を増やす理由
納豆菌は乳酸菌が過ごしやすい環境を整えてくれる素晴らしい菌です。
その理由は次の2つです。
- 水溶性食物繊維が多い!
- 悪玉菌を殺す!
なぜ、これが乳酸菌を増やしてくれるのか、詳しく解説します!
水溶性食物繊維が多い!
乳酸菌は炭水化物をエサにします。しかし、普通の炭水化物は人間に消化吸収されてしまうため、乳酸菌がいる大腸にはほとんど届きません。
しかし、炭水化物の中には人間には消化吸収できないものもあります。そのうちの一つが水溶性食物繊維です。
実は納豆100gには乳酸菌のエサになる水溶性食物繊維が2.3g含まれています。しかも、大豆には元々水溶性食物繊維が1gしか含まれていないため、納豆菌の発酵によって、倍以上にも増えるのです!
乳酸菌は納豆に含まれる豊富な水溶性食物繊維をエサにして増えることができるのです!
乳酸菌のエサについては、こちらの記事により詳しく書いているので、ご覧ください。
⇒ 乳酸菌にはオリゴ糖と食物繊維!乳酸菌のエサで腸内環境改善!
悪玉菌を殺す!
納豆菌には大腸菌を殺す効果があることが分かっています。なんと大腸菌の中でも凶悪なO-157に対しての抗菌作用も確認されています。
大腸菌などの悪玉菌は、腸の中をアルカリ性にする働きがあります。乳酸菌は酸性の環境を好むため、悪玉菌を殺してくれる納豆菌は、腸の中を乳酸菌が増えやすい環境に変えてくれるのです!
このようにお腹の中の乳酸菌を増やす効果の高い納豆菌ですが、既に説明した通り、とても生命力が強い菌です。生命力が強いため、焼こうが煮ようが、食べ方は特に気にする必要がありません!
どうして、こんなに生命力が強いのでしょうか?
次は納豆菌がどうしてこんなにタフなのかを解説します。
納豆菌がタフな理由!
納豆菌はどうしてここまでタフなのでしょうか?
その理由は、納豆菌には芽胞という形態が存在するためです。
そして、納豆菌は芽胞の状態では、過酷な環境でも死ぬことはありません!栄養が無くても、乾燥した環境でも死にません。また、かなりの高温にも耐えることができます。
お湯で煮沸消毒しても、納豆菌の多くの芽胞は生き残っています。そのため、稲藁を使った伝統的な納豆作りでは、藁に付いた雑菌を消毒するために、数分間沸騰したお湯に浸すのです。
そのため、納豆を食べた場合も、芽胞状態の納豆菌は胃酸でも死ぬことはないため、そのまま腸に届きます。
残念ながら腸の中は酸素が乏しいため、ずっと生き続けることはできませんが、それでも4日間~5日間は生き続けます。
植物性乳酸菌の場合は1日ももたないため、納豆菌は脅威の生命力と言えます!
まとめ
納豆は整腸作用が高い食品だというのは有名でしたが、その理由についてはあまりよく知られてません。
納豆菌が直接、腸の中を綺麗にするのではなく、元々腸の中にいる乳酸菌を増やすのです!
腸内環境を改善するには、外から乳酸菌を入れるのではなく、元々腸の中にいる乳酸菌が増えやすい環境を作ることと、乳酸菌のエサになるものを食べることが重要です!
そういう意味では、ヨーグルトを食べるよりも、納豆を食べる方がはるかにお腹の調子を良くしてくれるのです!
皆さんも是非、ヨーグルトと納豆をセットで食べるようにしてみてくださいね!
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