ケフィアとヨーグルトの違い!あなたのはケフィアじゃないかも!?
発酵食品には様々なものがありますよね?このサイトではヨーグルトを中心に、色んな発酵食品の事をお伝えしていますが、ヨーグルトに似た発酵食品として、ケフィアというものがありますね。
ケフィアはロシアのコーカサス地方の発酵飲料で、山羊や羊、牛の乳で作ります。ケフィアには、様々な栄養成分を含まれていて、健康に良いと言われています。
でも、ケフィアってヨーグルトとはいったい何が違うのでしょう?
日本でもケフィアとかケフィアヨーグルトなんて名前で、様々な商品が販売されていますよね?
しかし、これらの商品って、本物のケフィアとは違ったものかもしれないんですよ!
実は私たちがケフィアだと思って食べてるものは、ケフィア風の発酵食品である事が多いのです。
では、本当のケフィアってどんなものなんでしょうか?
今回は、ケフィアとヨーグルトの違いについてお伝えします。
目次
ケフィアとヨーグルト
日本の場合、ケフィアヨーグルトなんて名前で売られていることが多いですよね。
でも、これはケフィアに含まれる乳酸菌などと、従来のヨーグルトの乳酸菌を使って発酵させた乳製品である事がほとんどです。
本物のケフィアは、デリケートで種菌の保存も簡単ではありません。乾燥させると、すぐに死んでしまうなど、管理も大変なのです。
そのため、ケフィアの種菌として、販売されているものは、厳密に言えば本物のケフィアとは、違ったものである可能性が高いのです。
では、具体的には、普通のヨーグルトとは何が違うのでしょうか?
それは次の2つです。
- 菌の種類
- 味と食感
順番に見ていきましょう。
菌の種類
まず何と言っても、発酵に関わる菌の種類が全く違います。
ヨーグルトは、ブルガリア菌とサーモフィラス菌という種類に属する乳酸菌がそれぞれ1種類ずつ、計2種類いればできてしまいます。
しかし、ケフィアの場合は、そんなに単純じゃありません。
このカリフラワーのような見た目から、日本では「ヨーグルトきのこ」なんて呼ばれていた時期もありました。
そして、このケフィアグレインには、20種類以上とも100種類以上とも言われる、微生物が存在しています。ケフィアグレインの中からは今でも新しい細菌が見つかることもあるくらいです。
その中には、乳酸菌や酵母菌など様々なものがあります。そして、中でもケフィアグレインを形作るための、ネバネバ成分の元である多糖体を作り出す乳酸菌が、ラクトバチルス・ケフィラノファシエンスです。
日本でケフィアとうたっている商品の多くは、ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス乳酸菌が含まれています。そして、それに加えてヨーグルト状の出来上がりになるように、乳酸菌が調整されているのです。
でも、ラクトバチルス・ケフィラノファシエンスは、ケフィアグレインのカリフラワー上の見た目を形成するのに大きな役割を果たしているだけなんです。
ケフィアがケフィアであるためには、あくまでもケフィアグレインを構成している多くの乳酸菌や酵母菌が全て揃っている必要があるのです。
味と食感
2つ目の違いは、やはり味と食感の違いです。
日本で販売されている多くのケフィア風のヨーグルトは、結局のところほぼヨーグルトです。
既に書いた通り、ケフィア風ヨーグルトの場合は、ヨーグルト状の出来上がりにするために、本来のケフィアには存在しないような乳酸菌を加えて発酵させて、味と食感をヨーグルトのようにしています。
ヨーグルトとしては、美味しいですし、ちゃんと整腸作用だってあります。お腹に良いことは間違いないでしょうが、やっぱり、ケフィアとは違う食べ物です。
ケフィアの場合は、酵母菌なども存在するため、酢酸や二酸化炭素、微量のアルコールが生成されます。
そのため、ヨーグルトとは違う香りやクセがあり、発酵時間の長さによっては、アルコール濃度が1%前後になることがあります。
また、乳酸の量は少なめなので、ヨーグルトに比べると酸味は少し弱いです。そのため、食感はドロッとした液状なので、ボテッと固形状になっているヨーグルトは大きな違いがあります。
また、ヨーグルトに慣れている人にとっては、味にも少しクセがあるので、最初は少し抵抗があるかもしれません。
しかし、ここに書いた特徴は大雑把なものです。実はケフィアグレインを構成する微生物の種類や比率は、発酵させる乳の種類や、環境によっても変わってきます。そのため、ケフィアは作るたびに味が違うなんて言われます。
そういった特徴があるため、これがケフィアだという規格を作ることが困難なのです。
また、ケフィアグレインは微妙なバランスの上に成り立っているので、種菌としての管理も大変です。
こういったことから、ケフィアを商品化して販売するのは、非常に困難なのです。
以上がケフィアとヨーグルトの違いです。
でも、ケフィアグレインさえ手に入ってしまえば、実は手作りするのは、非常に簡単なんです。
次はケフィアの作り方を紹介します。
ケフィアの発酵のさせ方
ケフィアは種菌であるケフィアグレインさえ手に入れてしまえば、簡単に作ることができます。
手順は以下のようにするだけです…。
- ケフィアグレインを牛乳の中に入れる
- 半日~24時間程度常温発酵させる
- ざる等でろ過してケフィアグレインを取り出す
- 1に戻る。以下、繰り返し
牛乳を入れる容器だけは、こちらの記事を参考にして、しっかりと消毒してください。
⇒ 手作りヨーグルトの容器の消毒方法!熱湯を使わない簡単手順!
それ以外はヨーグルトメーカーなども、使う必要はありません。
また、この方法でケフィアを作り続けていると、だんだんとケフィアグレインの量も増えてきます。
簡単なだけにケフィアグレインを入手することが全てと言っても過言ではありません。
私が色々と見たところでは、楽天で販売している、こちらが一番おすすめです。
⇒ ケフィアグレイン
ただし、こちらは週に8つまでしか販売していません。増えた分のケフィアグレインを販売しているため、数に限りが出てしまうようですね。
欲しい方はこまめにチェックするのをお勧めします!
さて、ここまでは、ケフィアの作り方とケフィアグレインの入手方法をお伝えしました。
でも、ケフィアはとってもデリケートです。
そこで、最後にケフィアを楽しむにあたり、注意点をいくつかお伝えします。
ケフィアの注意点
ケフィアは作り方は簡単でも、デリケートで長く楽しむためには、いくつか注意点があります。
その注意点は主に次の3つです。
- 乾かすと死んでしまう
- 追いかけられてしまう
- 管理が大変
それぞれについて簡単に説明しますね。
乾かすと死んでしまう
ケフィアグレインはとってもデリケートです。
ケフィアグレインを構成する乳酸菌や酵母菌は、乾燥に弱い種類のものもいます。
ケフィアは様々な微生物が合わさって始めて、ケフィアと言える食品です。そのため、ケフィアグレインを乾燥させるのは厳禁です。
基本的には、常に牛乳の中に入れて発酵させ続けることが、最も良い保存方法です。
追いかけられてしまう
ケフィアグレインを乾燥させないために、牛乳の中で発酵させ続けていると、当然、日々ケフィアができ続けます。
そして、それを毎日飲み続けることになります。
日常的に飲み続ける覚悟が無いと、ケフィアに追いかけられる毎日になってしまいます。
管理が大変
ケフィアグレインは様々な微生物が共生している物体です。
そのため、雑に扱うと、ケフィアグレインの質はどんどん変わっていってしまいます。
消毒していない容器を使ったり、開封後時間が経った牛乳を使ったりすると、元は存在しない雑菌も加わってしまい、風味も変わってしまいます。
風味や健康効果にこだわるなら、それなりにしっかりした管理が必要になってきます。
このように作るのは簡単なんですが、お休みするというのが、難しいのがケフィアの難点です。
このような特徴を理解した上で、ケフィアに挑戦すると良いと思います。
まとめ
ケフィアはヨーグルトとは、かなり違うものであることが分かったと思います。
私は「ケフィアってヨーグルトとどこが違うんだろう?」と思ってました。しかし、そもそも私がケフィアだと思っていたものは、ほぼヨーグルトのようなものだったので、そんなの当たり前なわけです。
というわけで、本物のケフィアとヨーグルトの違いをもう一度おさらいしておきますね。
- 菌の種類
- 味と食感
ヨーグルトは最低2種類の乳酸菌だけで作れる。ケフィアは様々な種類の乳酸菌や酵母菌で作られ、乳の種類や環境によっても大きく変わる。
ヨーグルトは酸味が強く、固形状のしっかりとした食感が特徴。ケフィアは液状で、酸味は比較的少ない。
ケフィアは様々な微生物の微妙なバランスによって成り立っている発酵食品です。
ケフィアを商品化して販売するためには、発酵に使う微生物の種類や、製造工程を確立する必要があります。
しかし、デリケートで複雑なケフィアを、上手く規格化するのは困難なので、未だに商品化されていないわけです。
どうしても、ケフィアが欲しければ、ケフィアグレインを入手するしかないわけです。
ケフィアは長期間お休みするのが、難しいという欠点があります。それでも、飲みたいという方は、是非、挑戦してみてくださいね!
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