キムチの発酵の仕組み!実は日本で本場の味を出すのは不可能だった!



今やキムチは日本でも人気の高い漬物です。ご飯のおかずにしたり、肉と一緒に焼いたり、鍋料理にしたりと、色んな料理に合う美味しい食べ物ですよね。

そんなキムチはよく発酵食品と言われます。

でも、発酵というのは、乳酸菌を始めとした微生物の力を借りるものですよね?キムチは、ただ色んな薬味に漬け込んでるだけなのに、どうやって発酵してるんでしょうか?

その仕組みを理解すると、実は意外な事実が分かりました…。なんとそれは日本で作るキムチは、どうやっても本場の韓国の味を出すことは不可能だということです。

一体なぜなんでしょうか?

というわけで、今回はキムチの発酵の仕組みと日本では本場の味を出せない理由をお伝えします。

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目次

キムチはどうやって発酵させてるの?

キムチは発酵食品といいますが、そもそも発酵とは、どういうものなのでしょうか?

こちらの記事にも書きましたが、発酵とは乳酸菌などの微生物がその食品の元々の栄養素を分解して、別の有益な栄養素に変えることです。
発酵と腐敗の違い!実はあなたの腸の中は腐ってるかも!?

つまり、キムチも発酵食品というからには、何らかの微生物の働きによって、様々な有益な栄養素が豊富に含まれた食品のはずです。

では、キムチを発酵させている微生物はどこから来ているのでしょうか?

キムチを発酵させる微生物

キムチを発酵させる微生物の代表的なものは、やはり乳酸菌です。しかし、一言で乳酸菌といっても、種類は無数にあります。

では、どんな乳酸菌かというと、実は名前や種類は不明なんです!

ただ、大枠では植物性乳酸菌に分類される、強靭な生命力を持った乳酸菌であることは確かです。

植物性乳酸菌は、自然界では植物の葉や茎の表面に生息しています。植物の表面は太陽光や風雨にさらされる、環境の変化が激しい過酷な環境です。

そんな、過酷な環境でも生きていける強靭な生命力を持っているのが、この種類の乳酸菌の特徴です。

そして、キムチの材料に使う白菜や、薬味の野菜の表面にも植物性乳酸菌が生息しています。その種類は野菜の種類によっても変わるうえ、通常は複数の種類の植物性乳酸菌が共存しているため、どの乳酸菌によって発酵が起きているのかを特定するのは、事実上無理なのです。

では、そんな植物性乳酸菌によって、どのようにして発酵が進むのでしょうか?

発酵の仕組み

キムチの発酵の仕組みは、とてもシンプルです。キムチには様々な野菜やアミノ酸豊富な魚醤などの調味料が材料として使われます。

植物性乳酸菌は、これらの材料に含まれているたんぱく質や糖分などを分解して、アミノ酸などの旨味成分やビタミンB群などの栄養素、そして、爽やかな酸味の素になる乳酸などを作り出します。

キムチの材料の中には唐辛子や塩、ニラやネギなどの殺菌成分を含む材料がありますが、植物性乳酸菌はとっても強靭なため、それでも死ぬことなく、キムチの発酵を進めていきます

また、低温であっても、ゆっくりと発酵が進むため、冷蔵庫のような冷たい温度でもちゃんとキムチになるのです。

植物性乳酸菌の強靭な生命力のおかげで、人間は乳酸菌発酵のことなど意識しなくても、事実上勝手にキムチが出来上がってしまうのです。

というわけで、キムチの発酵は植物性乳酸菌のおかげだということが分かりました。

あのキムチの風味を生み出すための主役は、やはり乳酸菌なわけです。そして、逆の言い方をすれば、キムチの味を決めるのは、乳酸菌次第ということです。

そして、このことが実は本場の味に近づけようとした時の壁になるのです!

いったいなぜなんでしょうか?今度は日本では本場のキムチが作れない理由を見ていきます。

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日本では本場のキムチが作れない理由

キムチの味の決め手は乳酸菌だということは、既にお伝えした通りです。

乳酸菌の種類が変われば、風味にも微妙な違いが出てしまうわけです。

その大切なポイントになる乳酸菌の種類は、実は韓国と日本では全然違うのです!

キムチの材料になる野菜は、同じものを使っているようで、韓国と日本では微妙に種類が違います。

そして、種類や気候風土が違えば、乳酸菌の種類も違うのです。

例えば日本酒も地域によって味が微妙に違いますよね?もちろん、材料に使っている水やお米の違いもありますが、一番大きな違いは麹菌の違いです。

日本国内だけでも、地域が変われば麹菌の種類は全く変わってしまいます。

それぞれの特徴は、アルコール度数が高い辛口の出来上がりになったり、旨味成分が多い代わりにアルコール度数を高くするのが難しかったりと、様々な違いが出てきます。

このように麹菌の種類が変われば、簡単に味が変わってしまいます。そのため、酒造会社では、自分たちの味を安定的に出すために、麹菌の種を厳重に保管しているのです。

キムチの発酵に関わる乳酸菌も同じです。韓国と日本では乳酸菌の種類が違うため、微妙な味の差はどうしても出てしまいます。

もし、どうしても本場の味が出ないなと感じたら、それはもしかすると乳酸菌の違いかもしれません。そして、乳酸菌の違いが原因だとしたら、こればかりはどうしようもないので、最後は諦めるしかないのです…。

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まとめ

というわけで、今回はキムチの発酵の仕組みを紹介しました。

キムチを発酵させているのは、白菜などの野菜の表面にくっ付いている、植物性乳酸菌の働きによるものです。

そして、これらの乳酸菌はとても強靭な生命力をもっているため、発酵させるための温度管理なども不要です。

乳酸菌発酵なんて意識しなくても、勝手に出来上がってしまうのです。

でも、逆に言えば植物性乳酸菌の発酵をコントロールするのは、難しいということです。

そのため、キムチも乳酸菌の種類が変われば、風味もと変わってしまいます。

韓国と日本では野菜の表面に生息している乳酸菌の種類も違うため、微妙な味の差が出てくるのは避けられないのです。

とは言え、実際に食べ比べてみれば、その風味の違いに気付く人なんてほとんどいないとは思いますが…。

実は発酵食品の中でも、何も考えなくても、最も簡単に作れるのがキムチだったりします。

是非、皆さんも本格的なキムチを作ってみてはいかがでしょうか?

ちなみに韓国人の友人に教わった本格的なキムチの作り方を、こちらの記事に書いているので、良ければ参考にしてみてください!
本格キムチの作り方!韓国人に教わった本場の味を教えます!


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