ヨーグルトのカルシウムの吸収率!牛乳よりも良い理由!
カルシウムは骨を丈夫にするために大切なミネラルです。ミネラルは一般的に吸収率が低いため、いかに吸収力を高めるかがカギになります。そんなカルシウムを含む食品の中でも乳製品は特にカルシウムの吸収率が高いと言われています。
私も子供の頃から牛乳を水代わりのようにして飲んできましたが、おかげで骨も丈夫に大きく成長しました。最近では横にも成長してきていますが…。
しかし、実は牛乳よりもさらにカルシウムの吸収率が高いのがヨーグルトです。なぜ、ヨーグルトはカルシウムの吸収率が高いのでしょうか?
今回はヨーグルトの方がカルシウムの吸収率が高い理由についてお伝えします。
目次
ヨーグルトのカルシウム吸収率
乳製品全般はカルシウムの吸収率が高いです。まずは食品のカルシウム吸収率のおおまかな数字を見てみましょう。
名前 | 吸収率 | 備考 |
---|---|---|
野菜 | 17%~20% | モロヘイヤや小松菜など |
小魚 | 30%~40 | 煮干しや鰯など骨ごと食べられる魚 |
牛乳 | 40%~50% | |
ヨーグルト | 40%~80% | ヨーグルトの種類や元々の腸内環境による |
牛乳に含まれているカルシウムの吸収率は約40%~50%ほどです。これは小松菜などの野菜の吸収率が17%~20%程度なのに比べるととても大きな数字です。
しかし、ヨーグルトはそれを上回る40%~80%の吸収率です。なぜこれほどまでの吸収率になるのでしょうか?
今度は乳製品、そして、ヨーグルトのカルシウム吸収率の高さの理由を見ていきましょう!
乳製品のカルシウム吸収率が高い理由
まずは乳製品全般のカルシウム吸収率の高さの理由は何なのでしょうか?
全ての栄養素は水か油に溶けた状態でなければ、腸から吸収されません。カルシウムなどのミネラルも例外ではありません。
カルシウムを始めとしたミネラルの吸収率を上げるためには、なるべく水に溶けた状態を維持することなのです。そのためのカギになるのが牛乳に含まれるタンパク質です。
タンパク質の働き
牛乳に含まれるタンパク質のうちの80%を占めるのがカゼインというタンパク質です。このカゼインは腸の中で消化分解されることで、カゼインホスホペプチド(CPP)という物質に変わります。
実はこのカゼインホスホペプチドという物質に、カルシウムの吸収率をアップさせる効果があるのです。カルシウムは主に小腸で吸収されるのですが、小腸の中が酸性の環境であれば、カルシウムは水に溶けた状態でいられるため、腸から吸収されるのです。
しかし、小腸の中は先に進むほど、酸性からアルカリ性に変わっていきます。カルシウムはアルカリ性になるとリン酸と結びついて、リン酸カルシウムになってしまいます。リン酸カルシウムは水には溶けない性質があるので、こうなると腸から吸収されなくなってしまうのです。
しかし、カゼインホスホペプチドには、リン酸カルシウムの生成を妨げる働きがあるため、小腸の先に進んでもカルシウムの吸収を促進する効果があるのです。
ヨーグルトが更に良い理由
ヨーグルトにはカゼインホスホペプチドの効果以外にも、更にカルシウムの吸収率を上げる働きがあります。その効果は次の二つです。
- 乳酸カルシウム
- 腸内を酸性に保つ
なぜこれらがカルシウムの吸収率を上げるのか、それぞれについて、見ていきましょう!
乳酸カルシウム
ヨーグルトは牛乳が乳酸菌によって発酵してできた食品です。乳酸菌はその名の通り、発酵の過程で乳酸を作り出します。この乳酸にカルシウムの吸収率を上げる働きがあるのです。
乳酸カルシウムは水溶性のため、小腸で吸収されやすいのです!
腸内を酸性の保つ
乳酸菌が作り出す乳酸は酸性の物質です。そのため、ヨーグルトを食べると腸内環境を酸性にすることができます。
既に説明した通り、カルシウムはアルカリ性の環境ではリン酸と結びついて、不溶性のリン酸カルシウムになってしまうため、腸内を酸性に保つことで、カルシウムが吸収されやすい状態を作り出すことができるのです。
腸内環境を酸性にするには、腸内細菌が善玉菌優位の状態になっていることが大切です。そのため、普段から腸内環境を良くする食生活が重要になります!
このようにカルシウムの吸収率が高いヨーグルトですが、骨を丈夫にする目的で食べるのであれば、少し注意が必要です。
なぜならば、ヨーグルトだけでは骨を丈夫にするには不十分だからです。いったいなぜでしょうか?
今度はその理由をお伝えします。
骨を丈夫にするにはヨーグルトだけでは不十分!
実は骨を作るために必要な栄養素は、カルシウムだけではありません。
実はカルシウム以外にも次のような栄養素が必要なのです。
- コラーゲン
- ビタミンD
- ビタミンK
- ビタミンB群
骨の組織をつなぎ合わせ、骨をしなやかにする。
カルシウムの吸収力を上げる。
カルシウムが骨に定着するのを促進する。
骨の組織の代謝を促し、骨が脆くなるのを防ぐ。
これらの栄養素はヨーグルトを食べるだけでは、取ることができません。肉や魚、レバーなどの動物性の栄養に加えて、緑色が濃い葉物の野菜なども食べる必要があります。
骨を強くするためにはこれらの栄養素も一緒に取る必要があるのです。
乳製品は骨を丈夫にするというイメージが強いですが、実際にはバランスのよい食事をすることが、とても重要なんですね。
これらの栄養素が含まれている食品の情報や、効率的に取るための食べ方はこちらの記事に詳しく書いているので、参考になさってください!
⇒ 骨に良いヨーグルトの食べ方!一緒に食べると効果抜群なのはコレ!
まとめ
カルシウムを始めとしたミネラルは、体に必要不可欠な栄養であるにも関わらず、吸収されにくいのが欠点です。乳製品はカルシウムの吸収率が高いですが、その中でもカルシウムの吸収率が高いのがヨーグルトです。
しかし、カルシウムの吸収率は、その人の体調や元々の腸内環境が影響します。ヨーグルトのカルシウム吸収率は最高で80%と驚くほどの数字になっていますが、それはあくまでも腸内環境が相当良い状態での話です。
そのため、カルシウムの吸収率を上げたいのであれば、普段からヨーグルトや食物繊維を多く含む食品をを食べ続けて、腸内環境を良好にしておくことが大事です!
普段からヨーグルトを食べ続ける事で、段々と効率よくカルシウムを吸収できるようになるので、是非、皆さんもヨーグルトを食べる習慣を身に付けてみてはいかがでしょうか?
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