乳酸菌はビタミンを合成する!健康な腸はビタミン工場!
ヨーグルトを始めとした乳酸菌発酵食品には、整腸効果や免疫力アップなどの健康効果があります。しかし、乳酸菌の健康効果はそれだけではありません!
乳酸菌は腸の中で様々なビタミンを合成してくれるのです。実は人間が健康を保つためには、食べ物から摂取するビタミンだけでは不十分であり、腸の中で乳酸菌が作ってくれるビタミンが必要不可欠なのです!
今回は乳酸菌が合成してくれるビタミンについてお伝えします。
目次
乳酸菌が合成するビタミン
乳酸菌がビタミンを作ってくれるのは、腸の中です。腸の中は人間が食べた食べ物の栄養が豊かにあります。腸内細菌はそうやって人間から栄養を貰う代わりに、人間にとって有益な栄養素を合成して提供します。乳酸菌と人間は共生関係にあるのです。
人間の腸の中の乳酸菌はほとんどがビフィズス菌です。ビフィズス菌は様々なビタミンを作ってくれます。そんなビフィズス菌を始めとした乳酸菌が作ってくれるビタミンには次のようなものがあります。
- ビタミンK
- ビタミンB2(リボフラビン)
- ビタミンB5(パントテン酸)
- ビタミンB6
- ビタミンB7(ビオチン)
- ビタミンB9(葉酸)
- ビタミンB12
実は腸の中では乳酸菌を始めとした善玉菌がビタミンB群を中心とした様々なビタミンを作ってくれているのです。ここからはそれぞれのビタミンにどのような働きがあるか見ていきましょう!
ビタミンK
ビタミンKはあまり馴染みのないビタミンですが、とても重要な働きをします。ビタミンKには次のような働きがあります。
【ビタミンKの働き】
- 血液の凝固性を保つ
- 細胞を石灰化して骨を形成する
- 動脈硬化の防止
ビタミンKが不足すると血液が固まりにくくなるため、怪我をした時に出血が止まりにくい、鼻血が出やすい、内出血しやすいなどの症状が出ます。地味に重要なビタミンです。
ビタミンB2
人間の体内においてビタミンB2の働きはとても重要です。ビタミンB2には次のような働きがあります。
【ビタミンB2の働き】
- 脂肪やタンパク質を筋肉内で燃焼させる
- タンパク質を代謝する
- 赤血球の生成
- 健康な皮膚や髪の毛、爪の形成
- 甲状腺の機能の正常化
このようにビタミンB2は様々な生体反応に使われています。ビタミンB2は人間が生きていくために必要不可欠な栄養素なのです!
ビタミンB5(パントテン酸)
ビタミンB5は糖や脂肪などの正常な代謝に必要なビタミンです。ビタミンB5の働きには次のようなものがあります。
【ビタミンB5の働き】
- 体の正常な成長
- 皮膚を健康に保つ
- 健康な頭髪の維持
- 末梢神経の機能を正常に保つ
ビタミンB5が不足すると、体の細胞の健全な増殖が妨げられます。体の成長に不可欠なのがビタミンB5です。
ビタミンB6
ビタミンB6は体内の様々な代謝機能に使われる栄養素です。
【ビタミンB6の働き】
- 神経伝達物質生成
- 赤血球の形成
- アミノ酸や脂質の代謝
ビタミンB6はセロトニンやドーパミン、アドレナリンなどの脳内ホルモンや赤血球の形成などの働きがあります。
ビタミンB7(ビオチン)
ビタミンB7はほとんどが腸内の善玉菌が合成してくれています。そのおかげで食事で摂取することを考えなくても大丈夫なビタミンです。
【ビタミンB7の働き】
- 健康な頭髪の維持
- 食欲の維持
- 体力の維持
- 味覚を正常に保つ
- 神経の機能を正常に保つ
ビタミンB7も一言では言えないくらい様々なことに使われています。普段は全く意識する必要が無いのも善玉菌のおかげなのです。
ビタミンB9(葉酸)
ビタミンB9は葉酸と呼んだ方が馴染みの深い栄養素です。健康な細胞を形成するために重要な役割を果たします。
【ビタミンB9の働き】
- DNAの形成を促進する
- 健康な細胞の形成
- 神経の機能を正常に保つ
- 血液の形成
ビタミンB9が不足すると、健康な細胞が作られなくなるため、免疫力の低下や皮膚炎などの原因となります。
ビタミンB12
ビタミンB12はビタミンB9と似た働きをするビタミンです。その働きもほぼビタミンB9と同じです。
【ビタミンB12の働き】
- DNAの形成を促進する
- 健康な細胞の形成
- 神経の機能を正常に保つ
- 血液の形成
ビタミンB12の働きはビタミンB9が肩代わりしてくれますが、そのためビタミンB12の不足が分かりにくいことがあります。ビタミンB12が不足すると貧血などの症状が起きることがあります。
ここまでは乳酸菌が合成してくれるビタミンの働きについて見てきましたが、次からは乳酸菌が減るとどのようなことが起きるのか見ていきたいと思います。
乳酸菌が産生するビタミンが減ると…
偏った食事や不規則な生活、抗生物質の摂取などにより腸の中の乳酸菌が減ってしまうと、当然乳酸菌が作ってくれるビタミンも減少します。乳酸菌の減少はビタミンB群の摂取量の減少に等しいのです。
ビタミンB群が不足すると実に様々な障害が体に発生します。乳酸菌が減ることで起こる代表的な症状には次のようなものがあります。
- 口内炎
- 脚気(かっけ)
- 鬱病
- 神経障害
口内炎はビタミンB群の不足と免疫力の低下により起きます。腸の中の乳酸菌が減ってる上に不規則な生活が重なり、免疫力が低下すると口の中の雑菌によって炎症が起きて口内炎ができてしまいます。
ビタミンB群は神経伝達機能を維持するのに必要不可欠なので、乳酸菌の作るビタミンが減ると脚気の症状が出ることがあります。
様々な脳内ホルモンや、脳神経の伝達物質の生成にビタミンB群が関わっているため、乳酸菌の不足は鬱の症状を引き起こすことがあります。
ビタミンB群の不足が深刻化すると、錯乱や痙攣などの重度の神経障害の症状が出ることがあります。このような重篤な症状は、腸内環境の悪化だけでなく極端な偏食などが重なった時などに起こります。
腸の中の乳酸菌は、実はとても多くのビタミンを作ってくれています。風邪などの病気で抗生物質を飲むと、腸内細菌の多くも死んでしまうため、一時的にビタミンB群が不足する症状が出ることもあるくらいです。
私たちにとっても有益なビタミンを合成してくれるのが、腸の中の乳酸菌です。健康を保つためには腸の中の乳酸菌が喜ぶ食生活をすることが大切ですね!こちらの記事に腸内環境を改善して、乳酸菌を増やす方法を書いているので、良ければご覧ください!
⇒ 腸内環境の改善方法!ヨーグルトだけじゃ不十分て本当!?
まとめ
腸の中の乳酸菌は実に様々なビタミンを作ってくれています。私たちは普段は意識していませんが、乳酸菌の働きによって、私たちの体の健康は保たれているのです。
実はサプリメントなどで、ビタミンを補給するよりも腸内環境を正常に保つことの方がよほど効果があるのです!腸の中は乳酸菌によるビタミン工場なので、是非、良好な腸内環境を保って、健康な生活を送ってください!
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