乳酸菌の植物性と動物性!違いと特徴を簡単解説!
今はヨーグルトを始めとした様々な乳酸菌発酵を使った食品が販売されています。各社がそれぞれ色んな乳酸菌を使った商品を販売していて、目移りしてしまいますね。
そんな中で、最近目につくのは植物性乳酸菌の乳酸菌食品です。植物性乳酸菌と言われても実際には何が良いのか良く分かりませんよね?
そこで、今回は植物性乳酸菌と動物性乳酸菌の違いと特徴を分かりやすく解説したいと思います!
目次
植物性乳酸菌と動物性乳酸菌
乳酸菌についてはこちらの記事に詳しく書いていますが、要は乳酸菌とは発酵の過程で乳酸を産生して、腐敗物質は作らない菌のことを指します。
⇒ ビフィズス菌と乳酸菌の違い!どっちが腸に良いか知ってる?
つまり、この条件を満たしていれば、住んでいる場所や細かい性質に差があっても乳酸菌と呼ばれるわけです。
まずは植物性乳酸菌と動物性乳酸菌とは何なのか、その特徴について見ていきましょう。
植物性乳酸菌の特徴
自然界で植物に付着して生息している乳酸菌を大きくまとめて植物性乳酸菌と呼んでいます。実は単に乳酸菌と言った場合の多くは植物性乳酸菌のことを指しています。
植物性乳酸菌の特徴には次のようなものがあります。
- 生命力が強い!
- 酸素を使って発酵する
- 自然界に広く生息している
過酷な自然環境に生息しているため、熱や乾燥、栄養不足などの過酷な環境でも生き抜く力を持っています。そのため、食品として摂取した場合、胃酸でも死ににくく、腸の中でも長生きしやすいという特徴があります。
外気の中で生息しているため、酸素がある環境で活発に発酵します。そのため、家庭で発酵食品を作る時に利用しやすいのが特徴です。逆に酸素が無いと発酵が進まないので、常に酸素を供給してあげることが大切です。
あらゆる植物に付着しているため、わざわざ種菌として採取して植え付けるといったことは不要です。家庭で発酵食品を作る時は、乳酸菌の存在を意識することなく、簡単に発酵食品を作れてしまいます。
植物性乳酸菌は家庭でも簡単に利用することができることが特徴です!糠漬けやキムチ、ザワークラウトなど自然界に生息する植物性乳酸菌を使った発酵食品は数多く存在します。世界中の食文化に広く馴染んでいる乳酸菌です。
そして、一般的なヨーグルトも植物性乳酸菌を使って発酵させています。家庭でヨーグルトを手作りする場合も植物性乳酸菌を利用することが大切なのです!
ちなみに家庭でヨーグルトを手作りする方法をこちらの記事にまとめてあるので、良ければご覧ください。
⇒ ヨーグルトの作り方!簡単で失敗なく安全に作れる方法!
動物性乳酸菌の特徴
動物性乳酸菌は自然界には生息しておらず、主に動物の腸の中に生息しています。動物性乳酸菌の代表格はビフィズス菌です。
動物性乳酸菌の特徴には次のようなものがあります。
- 整腸作用が強い!
- 酸素に触れると死んでしまう
- 発酵させ辛い
元々、動物の腸の中に生息しているため、腸の中で最も活発に活動します、そのため、整腸作用が植物性乳酸菌よりもとても強いのが特徴です。
動物の腸の中は酸素が無い環境のため、動物性乳酸菌は酸素の無い環境で最も活発に活動できます。逆に酸素に触れると死んでしまうため、家庭での発酵食品を作る際には利用し辛いことが特徴です。
動物性乳酸菌は動物の腸という、栄養が豊富で暖かく住みやすい環境で生きているため、生命力が弱く、また酸素に触れると死んでしまうため発酵させることが困難です。
動物性乳酸菌はとても高い整腸作用がありますが、素人が作る発酵食品に利用することはとても難しいのです。各メーカーは研究を重ねて、動物性乳酸菌を上手く発酵させる技術を開発して、製品化しています。
そういった技術も設備も無い家庭で、動物性乳酸菌を使ったヨーグルトを作ることは至難の業です!
ここまでは、植物性乳酸菌と動物性乳酸菌の特徴について見てきました。どちらも一長一短な特徴を持っていますが、一体どっちの乳酸菌の方が優れているのでしょうか?
どちらの方が良いの?
植物性乳酸菌と動物性乳酸菌のどちらが優れているのかについて、次の観点で比較してみたいと思います。
- 整腸効果
- ヨーグルトへの利用しやすさ
- 家庭での食品への応用
整腸効果
整腸効果という観点では、植物性乳酸菌と動物性乳酸菌には、一長一短があります。
植物性乳酸菌は胃酸でも死ににくいので、生きたまま腸に届きやすいものの、腸の中は元々住んでいる環境とは違うため、定着することはできずにすぐにいなくなってしまいます。
一方で、動物性乳酸菌の場合は胃酸でほとんど死んでしまいますが、一旦腸に届くと長く定着して、強い整腸効果をもたらします。
そのため、植物性乳酸菌の場合は、毎日続けて摂取し続ける事が大切です。そして、動物性乳酸菌の場合は、一緒にオリゴ糖などを摂取して、腸の中に定着した動物性乳酸菌を増やすようにすることが大切です。
ヨーグルトの整腸効果についてはこちらの記事に詳しく書いているので、良ければご覧ください!
⇒ ヨーグルトの健康効果!身体に良いのは乳酸菌ではない!?
ヨーグルトへの利用しやすさ
家庭でヨーグルトを手作りする際の利用しやすは、断然植物性乳酸菌の方が優れています。十分な設備の無い家庭では酸素を取り除いた発酵をすることは不可能です。
そのため、ヨーグルトメーカーなどを使っても動物性乳酸菌を増やすことはできません。
市販のビフィズス菌入りヨーグルトの中には、家庭でもヨーグルトにすることが可能な商品もありますが、ヨーグルトはどれか一種類の乳酸菌だけで作れるものではないので、通常は複数の乳酸菌が入っています。
そういった商品には植物性乳酸菌も含まれているため、家庭でもヨーグルトにすることができるのです。
家庭での食品への応用
ヨーグルト以外の乳酸菌発酵食品を作る際にも、植物性乳酸菌の方が断然優れています。糠漬けやキムチ、ザワークラウトなどを作る際には乳酸菌を意識しなくても、既に野菜に付着しているため、勝手に発酵してくれます。
敢えて難を言うと、地域によって生息している乳酸菌は違うので、乳酸菌の種類のよって味に差が出ることです。例えば本場韓国で作るキムチと日本で作るキムチでは、同じ作り方をしても発酵する乳酸菌が違えば、微妙な味の差が出るため、「本場の味通りにならない」といったことになる可能性もあります。
まとめ
実は人間が生活で利用している乳酸菌のほとんどは植物性乳酸菌です。乳酸菌食品の中にはわざわざ植物性乳酸菌を使っていることをうたっている商品もありますが、植物性というとなんとなく健康的な気がするというイメージに訴えてるだけなのです。
一番大切な健康効果については、次の注意点を守れば大差ないので、どちらでも好みの方を食べるようにすれば大丈夫です!
- 植物性乳酸菌
- 動物性乳酸菌
腸の中に定着しにくいので、とにかく毎日、取り続けて乳酸菌の供給を切らさないことが大切!
腸の中に定着しやすいが、ほとんどは胃酸で死んでしまうので、オリゴ糖などの動物性乳酸菌を増やす効果のある食材を一緒に取ることが大切!
今回紹介した植物性乳酸菌と動物性乳酸菌のことを正しく理解して、是非、良いとこ取りの生活をしてくださいね!
最近のコメント