緑茶と烏龍茶と紅茶の違い!実は発酵の差ではないって本当!?
世界には様々な発酵食品があります。発酵食品には様々な健康効果があることが分かってきています。
色々ある発酵食品の中で、すぐにイメージするのは、味噌や納豆、ヨーグルトなどが多いと思います。
しかし、私たちが普段よく飲むお茶の中にも発酵茶というものがあります。それが烏龍茶や紅茶です。烏龍茶や紅茶は茶葉を発酵させたお茶で、緑茶は茶葉を発酵させてないものというが一般的です。
じゃあ、ヨーグルトのように整腸作用があるのかどうか調べてみたところ、意外なことが分かりました。
実は、本当の違いは発酵の有無じゃないんです。
というわけで、今回は緑茶と烏龍茶と紅茶の違いをお伝えします!
目次
緑茶と烏龍茶と紅茶の違い
世界中で広く飲まれているお茶は、全てツバキ科のチャノキ(学名:カメリアシネンシス)という同じ植物が原料です。
世界中のお茶の違いは、製法の違いなのです。そして、緑茶と烏龍茶と紅茶の大きな違いは、茶葉の酸化度合いの違いなのです。
お茶を作る時には、茶葉を揉み込んで、葉の細胞を壊す工程があります。この時に細胞内の酵素が茶葉の中に含まれている様々な物質と混ざり合って酸化させます。
烏龍茶や紅茶は、緑茶に比べると茶葉の色が濃くなっていきますが、これは茶葉に含まれるタンニンが酸化して赤くなるからなのです。
そして、それぞれの酸化の度合いは次のようになります。
- 緑茶
- 烏龍茶
- 紅茶
茶葉を摘んだ後、すぐに加熱して、酸化しないようにしたもの。
加熱する前に、茶葉を揉み込んである程度、酸化させたもの。
茶葉を揉み込んで完全に酸化させてから加熱したもの。
烏龍茶や紅茶は発酵茶とされていますが、実はこの酸化の過程を発酵としているからです。そしてお茶を作る時の酸化の工程を酸化発酵と呼んでいるのです。
そのため、緑茶は全く酸化酸化してないため不発酵茶、烏龍茶は少し酸化発酵させているため半発酵茶、紅茶は完全に酸化発酵しているため完全発酵茶というように分類されます。
このように茶葉を酸化させる工程を酸化発酵と呼んでいるため、烏龍茶や紅茶は発酵茶とされています。でも実は発酵の定義がどういうものかを考えると、厳密には発酵とは言えないのです。
では、発酵の定義とはどういうものなのでしょうか?
そもそも発酵の定義とは?
発酵というと、元々その食品の中にある栄養素が時間と共に変化して、別の食品になるようなイメージですが、実はちゃんとした定義があります。
発酵とは酵母菌や乳酸菌、納豆菌のような微生物が、自分の体内にある酵素を使って、有機化合物を酸化させ、エネルギーを得る生命活動のこと。
その際、微生物はアルコールや有機酸、二酸化炭素などの物質を生成する。
難しくてなんだか分かりにくいですが、要するに細菌が生きていくためにエサを食べているだけのことと理解すれば分かりやすいかもしれません。
お茶を作る時の酸化発酵の工程では、元々、茶葉の細胞内にある酵素の働きで、茶葉の中の物質が人為的に酸化させられているだけです。
発酵とは厳密には、何らかの微生物が介在するものなので、烏龍茶や紅茶はいわゆる発酵食品ではないのです。
しかし、お茶には本当の意味での発酵をさせたものが存在します。
今度は本当の発酵茶を紹介します。
本当の発酵茶
お茶の中には、微生物の力を借りて発酵させる種類があります。
それがプーアル茶です。プーアル茶は酸化発酵させていない緑茶の状態の茶葉を麹菌で発酵させて作ります。
プーアル茶は麹の発酵によって、有機酸が生成されるため、少し酸味があるのが特徴です。
ちなみに、プーアル茶には、熟茶と生茶という2種類があります。麹によって発酵させている方が熟茶です。
一方の生茶は緑茶をひたすら長い時間、熟成させることで酸化させています。つまり、酸化発酵しかさせていないお茶なので、こっちは発酵食品ではないので、ご注意ください。(でも、高級で好んで飲まれているのは、生茶の方なんですがね…)
まとめ
緑茶と烏龍茶と紅茶の違いは、茶葉の酵素による酸化度合いです。
それぞれの酸化の度合いは次のようになります。
- 緑茶:全く酸化させない
- 烏龍茶:少し酸化させる
- 紅茶:完全に酸化させる
烏龍茶も紅茶も発酵茶とされていますが、厳密には発酵食品ではありません。
とは言っても、烏龍茶や紅茶はインチキだとか、間違った言葉の使い方だとか言いたいわけではありません。
単純な言葉の使い方の違いだけなので、酸化発酵がどういうものかだけ頭の片隅に入れておけば問題ありません。
こちらの記事に書いた通り、そもそも、発酵と腐敗の違いも曖昧ですしね…。
⇒ 発酵と腐敗の違い!あなたの腸の中は腐敗してるかも!?
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