日本人は腸が長いなんてウソ!?日本人に肉食が向いてない本当の理由!



よく日本人は肉食に向いてない人種だと言われます。その理由が「日本人は欧米人に比べて、腸が長いから、肉を食べると便秘してしまう」というものです。

肉は消化が悪いので、腸の中に溜まりやすいので、腸が長いと排泄までに時間がかかり、便秘になりやすいというのです。

確かに私も肉を食べると、便秘してしまう傾向があります。そうなるとお腹が重くて、とても不快になります。夜も熟睡できなくなるので、体調全体に影響してしまうので、本当に厄介です。

でも、私の場合、肉食してなくても、体の疲れや、不規則な生活をしているとやっぱり便秘になってしまいます。一体なぜなんだろうと色々と調べていたら、驚くことが分かりました。

なんと日本人が欧米人に比べて腸が長いというのはウソだというのです!

じゃあ、日本人に肉食が向いてないというのもウソなのでしょうか?実はそれは本当です。でも、それは便秘しやすいからという理由ではないんです!

本当の理由を知らないと、生活習慣病のリスクを上げてしまうかもしれませんよ!

というわけで、日本人と欧米人の腸の長さと、日本人に肉食が向いてない本当の理由をお伝えします。

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目次

日本人の腸は本当に長いのか?

「日本人の腸は欧米人に比べて長い」というのは、皆さんも良く聞いたことがあると思います。

その根拠として、今まで言われてきたのは次のような理由でした。

これまで言われてきた理由

これまで、日本人の腸が長いのは、日本人の食生活に関係があると言われてきました。日本人は歴史的に肉よりも野菜や穀物を中心とした食文化でした。

このような食生活では食物繊維の量が多くなります。食物繊維はそのままでは人間には消化できず、腸の中の微生物によって、分解してもらう必要があります。こうして、微生物の力を借りて消化するためには腸が長い方が良いのです。

実際に草食動物は腸が長い傾向にあります。それだけではなく、微生物が食物繊維を分解するための専用の胃袋まで存在します。

一方で欧米人は肉を中心とした食文化のため、日本人に比べて食物繊維が少ない食生活です。そのため、消化には微生物の力をそれほど必要としないため、腸は短くても良いと言われてきました。

この食文化の違いのせいで、日本人の腸は欧米人より長いと言われてきたのです。

でも、実際には日本人の方が腸が長いという、有力なデータは存在しませんでした。この理由だけがどんどん一人歩きしてしまったのです。

実際に測ってみた結果

では、実際に腸の長さを測定した結果は無いのでしょうか?

調べてみたところ、大腸の長さを比べた測定データががありました。
日本消化器内視鏡学会雑誌

これによると日本人とアメリカ人の大腸の長さを年代別に測定した結果は次の表のようになりました。

【日本人とアメリカ人の大腸の長さ】
年齢 日本人(男性) 日本人(女性) アメリカ人(男性) アメリカ人(女性)
50代 151.3cm 155.3cm 155.6cm 155.6cm
60代 156.6cm 153.8cm 160.7cm 157.8cm
70代 168.0cm 158.9cm 162.1cm 167.4cm
全年代 154.3cm 155.2cm 158.3cm 158.1cm

ご覧の通り、なんとアメリカ人の方が長いという結果になりました!

測定したのは大腸の長さだけなので、実は小腸は日本人の方が長いという可能性もあります。また、アメリカは様々な人種が入り混じった国なので、この中にはアジア人が含まれている可能性もあります。

しかし、日本人の方が腸が長いと言っている意見では「日本人の大腸の長さの平均は2.0m~3.0mで欧米人は1.2m~1.3m」などというデータを引き合いに出しています。この事から少なくとも、日本人の方が腸が長いというのは、根拠が怪しく信頼できないことが分かります。

じゃあ、腸の長さが同じなら、日本人も欧米人と同じくらい肉を食べても大丈夫なんでしょうか?

残念ながらそうではないんです。日本人はやはり肉食に向いていません

次は日本人に肉食が向いていない本当の理由をお伝えします。

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日本人に肉食が向いてない本当の理由は?

日本人も欧米人も個人差はある物の、平均すると腸の長さに違いはありません。

肉食が便秘の原因になるのは確かですが、腸の長さよりも、腸の蠕動運動に関わる腹筋の強さや、腸内環境、生活習慣の方が、より大きく影響します。つまり、人種による便秘のしやすさの違いは無いわけです。

では、なぜ日本人には肉食が向いていないのでしょうか?

それは、日本人と欧米人の膵臓の能力の違いにあります。膵臓には人間の血糖値を調整する重要なホルモンであるインスリンを作る機能があります。

実は欧米人の膵臓は日本人に比べて、このインスリンを作る力が強いのです!

欧米人は歴史的に肉や乳製品など、動物性のカロリーの高い食品を食べてきたため、膵臓のインスリンを作る能力が高く、血液中の糖分をどんどん脂肪に変えて細胞に取り込むことができます。

一方で、日本人は植物性のカロリーの低い食生活だったため、欧米人に比べて膵臓のインスリンを作る能力が低いのです。

日本では明治維新後に西洋の食文化が入ってきました。そして、戦後になると家庭の食事も一気に西洋化が進みました。その一方で、日本人の膵臓のインスリンを作る能力は昔のままです。

西洋のカロリーの高い食事、特に肉などは日本人にとって、カロリーが高すぎます。そのため、血糖値が一気に上がりますが、インスリンの量が少ないため、なかなか血糖値が下がりません。これは糖尿病のリスクを高めることにつながります。

実際、戦後の日本では糖尿病患者が増えてしまっています

このように日本人にはカロリーの高い欧米の食文化、特に肉食は向かないのです!

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まとめ

日本人は腸が長いので、肉食は向かないというのは、どうやら根拠が無いようです。

大腸の長さだけで言うと、実際には日本人よりもアメリカ人の方が少し長いくらいです。

だからといって、日本人も欧米人並みに肉を食べても大丈夫かというとそうではありません。

日本人の膵臓は欧米人に比べると、インスリンを作る能力が低いのです。そのため、日本人が肉を食べ過ぎると、糖尿病のリスクが高くなってしまうのです。

というわけで、今回の記事のポイントをもう一度まとめておきます。

  • 日本人の腸の長さは、欧米人ほぼ同等の長さ
  • 肉食は便秘しやすいことは確かだが、腸の長さとの因果関係は不明
  • 日本人はインスリンの量が少ないため、高カロリー食(特に肉)は糖尿病のリスクを高める


それにしても、日本人の腸は欧米人よりも長いというのは、どこから出てきた話なんでしょうか…?

いずれにしても、私たち日本人は肉を食べ過ぎ無い方が良いのは変わりありません。

日本人には、やっぱり和食が一番なんですね~。皆さんも改めて自分の食生活を見直してみてくださいね!


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